研究開発が目指すBeyond 5Gの社会
娯楽・レジャー・飲食業界編
Beyond 5Gで広がる娯楽・レジャー・飲食業界
現実世界の代わりに、バーチャル空間上でさまざまな娯楽・レジャーを楽しむ方が増えています。これまでは映像や音楽の鑑賞やゲームなどが主でしたが、今後はスポーツや旅行、レジャー施設などにも拡大していくことでしょう。近年はバーチャル空間内でのエンターテインメントが注目されていますが、Beyond 5Gが実現する超高速・大容量の通信や超低遅延などの特徴が、これら業界の変化をさらにおし進めると考えられます。
また、飲食業界(外食業界)では、以前からロボットの導入やICTの活用により効率化を進めており、Beyond 5Gが、さらなる新しいサービスの提供や経営改善に貢献すると期待されています。


期待される将来像
娯楽・レジャー業界では、デバイス技術や通信技術の革新的な進展に伴い、かつてなかった画期的な体験が実現されると考えられます。特にインパクトが大きいと考えられるのが次の要素です。
①究極の没入体験の提供
超高速・大容量の通信により、非常に優れた音質や画質の伝送が可能となります。また、これまで以上に五感を刺激する再現性の高い通信技術により、かつてない没入体験や一体感をもたらします。
②バーチャルとリアルの融合
バーチャル空間への実世界の反映や、実世界の空間にバーチャル空間を重ねるなど、バーチャルとリアルをシームレスに融合させることで、新しい体験価値を提供することができます。
③エンターテインメントソーシャルの融合
例えば、友人とゲームやライブに参加したり、他ユーザーとコミュニケーションを行ったりできるような場を、バーチャル空間を介して提供することが可能となります。
④コンテンツクリエイター支援
Beyond 5Gにより実現される通信基盤を介して、デバイスやAIがさらに進化し、誰もが高品位のコンテンツを創り出すことが可能となり、その流れが加速していくことが期待されます。
⑤サービス提供のボーダレス化
限られた一部の人だけでなく、多くの人が、いつでもどこでも安価で高品位のエンターテイメントサービスを受けられることが期待されます。
一方、飲食業界では、ロボットやIoT、AIなどの先端技術の活用により、経営の効率化につながることが期待されます。さまざまな注文に対応する調理ロボットや、自動運転で料理を運ぶ配膳ロボットなどの技術の進展が期待されます。


今後の課題
娯楽・レジャー業界では、超高音質・超高画質な空間情報の伝送のために、高品位データ通信やリアルな人物や場所を三次元デジタルデータに変換して高画質で再現する技術が求められます。バーチャルとリアル空間の融合のためには、多くのセンサーデータの収集とリアルタイムでの反映が必要となります。また、マルチモーダルなリアルタイム通信を実現するには、基地局端末間通信だけではなく、高信頼で低遅延な端末間直接通信などのような短距離通信との融合も求められます。
飲食業界では、配膳や調理ロボットからの大量の画像情報や位置情報をリアルタイムで確認・制御を可能にする超高速・大容量、超低遅延な通信基盤が求められます。特にロボット等による無人飲食店の実現のためには、超高速・大容量、超低遅延な通信、長時間のロボット可動のために超低消費電力が必要です。
(出典)「Beyond 5G ホワイトペーパー 〜2030年代へのメッセージ〜 (4.0版)」(XGモバイル推進フォーラム)を元に記載しています。