社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム【事業戦略支援型】 ステージゲート評価
令和6年度ステージゲート評価 結果 (概要)
採択番号 | 研究開発プロジェクト名 | 研究開発期間 (予定) |
実施者 ◎代表研究者 | 主なコメント | 評価 |
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1.オール光ネットワーク関連技術 | |||||
50101 | 1T超級光トランスポート用DSP回路実装技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和9年度 | ◎NTTイノベーティブデバイス株式会社 日本電信電話株式会社、富士通株式会社、日本電気株式会社 |
・顧客の選択、技術の方向性など、重点とする箇所や戦略が明確である。 ・信号処理回路(DSP)の回路実装技術の研究開発項目に対し、細やかな性能検証等を通じて、2024年度目標の達成が見込まれる。 |
S |
50201 | オール光ネットワークのサービス機能向上技術及び遠隔制御対応光トランシーバ構成技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和8年度 | ◎日本電信電話株式会社 三菱電機株式会社、住友電気工業株式会社、富士通株式会社、日本電気株式会社 |
・想定顧客の要求を詳しく確認しながら、研究開発への影響を迅速に検討し反映するプロセスが構築できている点は評価できる。 ・有用と思われる技術・製品の開発が進んでおり、各研究開発項目においても最終目標の達成に向けて着実に成果が得られている。これらの研究開発の成果が、今後の製品化や市場獲得に繋がることを大いに期待したい。 |
S |
50301 | 超大容量・高品質光ネットワークノード技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和8年度 | ◎日本電気株式会社 | ・技術的優位性が市場や顧客に対してどのような良い影響をもたらしているかという点について、一層具体化されることを期待する。 ・超大容量・高品質光ネットワークノード技術として、大容量化・長延化・省電力化に向けて着実な実験的検証を遂行しており、2024年度目標の達成が見込まれる。 |
A |
50401 | Beyond 5G(6G)アクセスネットワーク装置の小型化・低消費電力化技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和9年度 | ◎富士通株式会社 NTTイノベーティブデバイス株式会社 |
・国際的にも技術的優位性を維持できている点は大変評価できる。ユーザー企業、オペレータなどの課題やニーズに関する調査分析を進め、技術的優位性を事業規模の拡大につなげられるように進めていただきたい。 ・アクセスネットワーク装置の小型化・低消費電力化技術の実現に向けて、具体的な研究開発項目に細分化した上で課題解決案の抽出や性能検証などを遂行し、2024年度目標の達成が見込まれる。 |
S |
2.非地上系ネットワーク関連技術 | |||||
50501 | LEO/MEO衛星向け地上局用フラットパネルアンテナ技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和9年度 | ◎シャープ株式会社 | ・研究開発の具体性が増し、ユーザー企業からの評価も一段と具体的になり、技術優位性及び利用時の方法・価値についても具体的な前進が認められる。 ・当初の計画どおりアンテナ試作を実施し、各種特性評価及び船上実験を完了できているとともに、標準化提案や特許出願も進められていることから順調に進捗していると評価する。 |
S |
50601 | 次世代大容量小型宇宙光通信システムの技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和9年度 | ◎ソフトバンク株式会社 | ・現在の競合他社や行政の最新動向を十分調査し、将来の利用を予測し、研究開発の軌道修正を検討する体制とプロセスが整っているようで、期待できる。航空機、地上を含め、全体の売上のポートフォリオの見込みや、確度分析を引き続き検討していただきたい。 ・仕様決定を到達点としている2024年度の取組として、検討が進捗していることは確認できる。光無線装置の開発については、計画どおり進捗していない点も見受けられるため、2025年度以降のキャッチアップを期待したい。 |
S |
50602 | 次世代大容量小型宇宙光通信システムの技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和9年度 | ◎ソニーグループ株式会社 | ・顧客の情報やそれに伴う事業計画の修正、その社内検討プロセス等が不明確であり、助成事業の継続を見送ることが適当である。 ・2024年度の研究開発の進捗状況に関する記載に具体的を欠く。 |
B |
3.セキュアな仮想化・統合ネットワーク関連技術 | |||||
50701 | Beyond 5G(6G)ネットワークの通信制御・データ通信処理ソフトウェア技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和9年度 | ◎日本電気株式会社 | ・事業計画に関し、具体的な進捗が認められる。市場展開の見通し、顧客との関係等について不確実性はあるが、対策は取られているように見受けられる。 ・研究開発項目を構成するサブ項目について、概ね当初計画どおりに進捗しており、2024年度における研究開発目標を達成できる見込みであると認められる。一方で、今年度の成果がどの程度実用に結びつくものとなり得るのかについては、定量的な検証結果が少なく判定することが困難である。 |
S |
50801 | Beyond 5G(6G)における無線基地局の高機能・高性能・高信頼性・低消費電力化技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和9年度 | ◎日本電気株式会社 | ・技術的な優位性及び全体的な進捗は認められるが、想定顧客が限定的であるため、顧客候補に対し、市場ポテンシャルを踏まえた上でどうアプローチしていくのかを検討していただくことが望ましい。 ・いずれの研究開発項目についても概ね当初計画どおりに進捗しており、成果内容も良好と判断する。2024年度に実施した試作と2025年度に設定された達成目標との関係が明確ではないため、最終目標を見据えた技術面の進捗を明確にしていただくことが望ましい。 |
A |
50901 | 次世代通信に向けたエッジクラウドの高度化技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和9年度 | ◎楽天モバイル株式会社 | ・計画が前倒しで進捗しているとともに、技術や市場の調査・分析結果の裏付けもあり、今後の進展が期待できる。 ・我が国で立ち遅れが目立っている分野への真正面からの取組で高く評価されるべきものであり、国際標準との整合性も高く、進捗も良好である。 |
S |
51001 | マルチドメインルーティング・認証管理基盤技術に関する研究開発プロジェクト | 令和5年度~令和9年度 | ◎BBSakura Networks株式会社 | ・特許化に取り組み、具体的な実績が出ている点は評価できる。積極的に海外での営業活動に取り組んでおり、技術、ニーズ、市場をリンクしながら成果を広げている点で、今後の展開が期待される。 ・プラットフォーム技術の独自開発で、我が国として支援すべきものであると考える。一方で、本件が独自性の高いものであるという点を考慮しても、研究開発内容や既存標準との整合性等についてもう少し詳細に記載していただくことが望ましい。 |
S |
ステージゲート評価における評価の区分及び目安
- S:優れた進捗が認められ、優先的に助成事業を継続すべき。
- A:十分な進捗が認められ、助成事業を継続すべき。
- B:やや不十分な点が見受けられ、助成事業継続の優先度が低い。
- C:不十分な点が見受けられ、助成事業の継続を見送ることが妥当である。
(注)本ステージゲート評価結果を踏まえ、採択番号50602は総合評価B以下のため令和6年度で助成事業を終了とし、その他の研究開発プロジェクトは令和7年度以降の助成事業の継続を可とする。